印紙税

国や地方自治体に登記や売買などの手続きをしたときに収める税金です。売買価格によって印紙にかかる税金は変わってきます。契約書などに印紙税分の切手を貼って納めましょう。

登録免許税

農地を売却した際、農地を購入した相手に所有権も譲渡します。そのため、所有権の譲渡の登記をする際に、登録免許税を国に納付します。

譲渡所得税

譲渡所得税は農地を所有していた期間によって税率が変わり、所得税と住民税を合わせて納めるものです。農地の所有が5年以内であれば「短期譲渡」となり、消費税30％・住民税15％になります。所有から5年以上経過している場合は「長期譲渡」になるため、所得税15％・住民税5％です。税金面から見ると、5年以上所有して売却した方が税金を抑えることができます。

農地売却で納める税金には、農地独自の特別控除があります。農地がある地域の農業委員会に売却するか、斡旋などで農地を売却した場合は800万円、地域の農業委員会の買入協議によって売却した場合は1500万円の控除があります。

倍率方式

農村地帯にある農地に適用されるものです。「固定資産税評価額×1.1＝相続税評価額」で算出できます。

宅地比準方式

農地を宅地であるとした場合の1㎡あたりの価格×面積＝宅地価格となります。そして「宅地価格－農地を宅地に転用した際にかかった費用＝農地価格」で算出できます。

市街化農地の金額の80％

市街地農地の場合は「倍率方式」もしくは、「宅地比準方式」で計算された価格×80％が相続税評価額になります。市街地農地を相続した場合、計算が複雑なため不動産業者に依頼することをおすすめします。

相続税では、農地を含んだ遺産の総額が「3,000＋600×法定相続人の数＝相続税の基礎控除額」以下である場合は、相続税を申告する必要はありません。たとえば、法定相続人が2人の場合は（3,000＋600×2=4,200万円）となります。土地など含めたすべての遺産の総額が4,200万円以下であった場合は、相続税を納める必要がありません。

また、相続税を納付するために農地を売却すると、農地が少なくなり農業が衰退してしまう可能性があります。農業保護のために国は、農地を相続した場合の「相続税の納税猶予の特例」を定めているのです。

相続税の納税猶予の特例を適用するときは、「農業を継続すること」という要件があります。場所によっては適用できない地域がありますので、相続税を納める際は確認してみてください。